きっかけは単純、単純な僕
「どうしてクラフトビールをつくろうと思ったのか?」
よく聞かれます。
詳しく説明すると長くなりますので、ごく簡単に説明しますと、あるリノベーションスクールでのワークショップにて「花巻にクラフトビールのブリュワリーがあったらいいね!」という話になり、それにピンと来たからです。
どうですか?単純でしょ?(笑)
でも、そこから行動に移せるのが僕のいいところだと思っています。自分で言うのもなんですが。
思えば、怪我で断念しましたが、スノーボートの楽しさに魅了され、本気でプロを目指していました。また、DIYが好きで、のめり込んだ結果、それも仕事になりました。そのおかげで前述のリノベーションスクールに参加させてもらいました。
そんな感じで、ハマったものには全エネルギーを注ぐ性分で、今、クラフトビールにハマっています。きっとこれはライフワークになると思っています。そのくらいハマっています。
だからこそ、何も知らないところから比較的短期間で世に出せるビールをつくれるようになったのだと思います。
なんだかんだ花巻が好きだから
僕は岩手県花巻市で生まれて、そして育ちました。
幼い頃によく言っていた商店街は、今やシャッター商店街です。いわゆる有休不動産だらけ。
その現状に、花巻を諦めて外に出ようとしたことも正直あります。
でも今は、可能性が溢れていると感じてしまっています。
既に建物はあるわけですから立て直す必要がなく、リノベーションをする事でまた新しい使い方ができるなんてラッキーですよね!
と思うのは、きっとごく少数。特に若者は都会の方へ行きます。
それは全く否定しません。僕も憧れましたし通るべき道だとも思います。
ただ、その若者たちが帰ってきたくなる花巻をこれからつくっていきたいと思うのです。
ひいては花巻から出たくなくなるような “カッコイイ田舎” に少しずつDIYしていければと思っています
違和感を日常に
花巻は、かの宮沢賢治さんの出身地で、温泉も有名です。そういった背景から文化が培われてきました。
そういった花巻のアイデンティティを大切にしつつ、僕は時代に合わせた新しい文化をつくっていきたいです。
それに必要なのは「違和感」だと思っています。
これまでの花巻にはマッチしないものに魅力を感じますし、その違和感を馴染ませていくことにより新しい文化ができていく気がします。
きっとそれが今の花巻に足りないものででもあり、足りないからこそ人が減っていく。
僕の中で、違和感を言い換えると「非日常」。
そもそも花巻市民は非日常が大好きなはずなのです。
花巻には「花巻まつり」という祭りがあり、すごく盛り上がります。
町のあちらこちらが歩行者天国になり、所狭しに屋台やポップアップショップが並び、路上で音楽が演奏されていたり踊っている人がいたり。昼から酔っ払っている人も多数。
もちろん、たまにあるからこそハメを外せるというのもありますが、こういった要素は日常にもう少しあっていい。
そのひとつがクラフトビールです。
花巻もビールも可能性しかない
僕が花巻に可能性を感じている理由は前述の通りですが、クラフトビールもすごいのです!
原料は主にモルトとホップとイーストと水のたった4種類。
モルトと言っても色々な種類がありますし、ホップも100種類以上あり、それらの組み合わせや使用量、使うタイミングを変えるだけでも全く違ったビールが作れます。更に副原料で、フルーツや野菜、スパイスなど入れてつくることもできるのです!
それにより表現できる味わいや香りは無限大!苦いだけがビールだけではありません。
ワインのように一杯をゆっくり楽しむビールや、口だけではなく目や鼻で楽しむビール、ビールが苦手な人が飲みたくなるビールなどなど、大袈裟ではなくつくることができます。
僕はそういったビールの可能性を花巻と重ね合わせています。
要は組み合わせです。
花巻に何を組み合わせて化学反応を起こすか。どういった味わいにするのか。それによりいくつの感動、笑顔を生むのか。
とりあえず僕はビールづくりを通じて、農家や企業、地域等とのコラボレーションを積極的にしていき、人と人、地域と地域、人と地域を繋げる接着剤、または潤滑油のような役割をしていきたいと思っています。
花巻もビールも可能性しかありません。
雨ニモマケズ風ニモマケズ、花巻ノキボウ二、BrewBeastハナリタイ。
MESSAGE
株式会社トルクスト
代表取締役
高橋 亮
TAKAHASHI TORU
20代半ばまではスノーボード中心の生活を送り、オフシーズンに露店での鉄板焼き料理をはじめ様々な仕事を経験。スキー場の食堂経営やパブの経営から飲食店経営をスタートさせた。
大工だった祖父の影響で幼い頃から大工仕事に興味を持ち、
経営店舗のほとんどは、自らの手でリノベーションをした。